みなさん、こんにちはボランティア受入部 福岡麻子です。
今日は、遅くなりましたがお約束の植栽の活動報告をさせて頂きます。
11月はチューリップを始めとする球根の植栽が多く行われました。約3,200個の球根のご支援をうけて、6か所に植栽することができました。
いつもみなさんに活動して頂く現場の多くは、海岸清掃や環境美化活動、片付け作業中心でしたが、今回は植栽という『これからに繋がる作業』。
今回の植栽のお話は、いつも来て頂いている団体様からの提案でした。
植樹・植栽に関しては、これから何年先も残るところにと提案を頂くことが多い中、もちろんこちら側としてもせっかく支援を受けるのであれば、そういう場所に植えて頂きたいと思っていました。しかし、かさ上げ予定地でも「来年1回限りでも、そこに花が咲くことによって喜んで下さる方がいるのであれば」、というお言葉を受け始まりました。
その言葉の後押しもあり、植栽した場所の中には、かさ上げしなければならない場所だったり、防潮堤を建設しなければいけなかったり…、何年先も残っている場所ではないところもあります。かといって、その場所に花を必要としないわけではありません。花がそこにあることによって心が癒される人、笑顔になる人が一人でも増えてくれればいい、今だからこそ、今しかできないこと、今しかない場所に。という思いで、始まった植栽活動でした。
実は、ご存じのボランティアさんもいると思いますが、今回の植栽作業、海岸清掃と深く関わっているのです
何が…
そう思いの方もいると思いますので、長くなりますが順を追って説明していきたいと思います。
海が荒れるたびに上がってくる被災物をはじめとした漂着物。(それは被災地特有のものではなく世界的に問題視されていることではありますが…)
私たちの大きな活動の一つでもある海岸清掃。今でもいろいろな種類のものが集まります。衣類・瓦・アスファルト・タイヤ・プラスチック類・缶・ビン・漁具・子どものおもちゃ・木材などなど・・・。
処理問題でも頭を悩ませる中、これらを再利用出来ないかずっと考えていました。
そこで目を付けたのが大量の流木でした。
今年6月からお手伝いしていた、杉の下慰霊碑周辺の花壇作成。
そこで思い付いた流木の利用方法。花壇の柵にはならないかという案。
ボランティアさんのお力をお借りしてさっそく実行してみました。
なんと味のある、個性のある花壇ができたでしょう。
これをきっかけに、流木での花壇作成が始まりました。
震災から月日が経つにつれて、瓦礫置き場や焼却場の閉鎖。
海岸清掃で集めた被災物もだんだん処理が難しくなってしました…。集めたものは主に自分たちで処理をしなければならない現状です。
そのためには、大きなもの(毛布・網・ロープなど)はすべて45センチ以下にカット、カット、カット。
流木も例外ではなく、大きなものはすべてカット。
カットしてもらう際に花壇の柵にしようと、ボランティアさんには約40センチにカットして頂きました。表面が汚れているものは皮を取る作業もして頂き、綺麗に仕上げて頂きました。
そして、11月に行われた植栽には、もう一つ大切な作業がありました。
植栽予定の場所は、保育所や老人施設、小学校、国道沿いの軽食屋さん、大谷海岸道の駅など。
もともと、花壇があるところもあれば、花壇の作成から行わなければならない場所もありました。
そこで必要になってくるのが、土です。
地元の方のご協力も得て、山から土をふるって持ってくる作業も行って頂きました。
この作業が、なんと単純で腰の痛くなる作業だったでしょうか。
土取りにご協力頂いたみなさま、この土できっと立派な花を咲かせますよ。
それでは、ここからがやっと実際の植栽の活動現場の様子です。
○国道沿い飲食店
被災した所で、花壇のない場所でしたが、土を崩し→草を取り→石を取り→柵を作り→土を入れ→植栽をする。予想していたより、ハードな現場でしたが、流木も綺麗に並び素敵な花壇ができました。
(写真左:作業前、写真右:作業後)
○市内小学校
小学校開校30周年行事として行われた植栽作業。
子どもたち一人一人が大事そうに、そして春に咲く色取り取りのチューリップを楽しみに球根一つ一つ大事に植えてくれました。
○市内保育所
子どもたちの笑顔を思い浮かべながら、7色の色合いを考えながら植えて頂きました。
(写真左:虹色に咲きますように、写真右:小さな花壇にそれぞれの色を)。
○社会福祉施設
被災した3つの施設が1つになって新しく今年の秋に開所した施設です。
石がゴロゴロして作業が難航しました。
施設の利用者の方も出て来て下さり、一緒に植栽作業も行いました。
○大谷海岸道の駅
ここも被災した場所です。
震災後そのままでしたので、枯れてしまった木の根っこの除去、そして花壇から多くのガラス片が出てきて、そのガラスの除去に苦戦しましたが、なんとか300個の球根を植えることが出来ました。
国道沿いに面しており、仮設住宅の方も毎日この前を通って道の駅に買い物に出かけてきます。周りにあまり色がないからこそ色を付けたかった場所でした。
私たちにとっても初めての調整で、行き届かなかった面が多数ありましたが、たくさんのご協力やご支援のおかげで無事に終了することができました。
本当にありがとうございました。
みなさん、チューリップが咲く季節にまた気仙沼でお会いしましょう。
本当に、春が待ち遠しいですね。
もちろんそれ以外の季節でも、みなさんにお会いできることを楽しみに気仙沼で待っています。
(ボランティア受入部 福岡 麻子)
だけど、やっぱり杉之下の景色は圧巻ですね。悲しい事のあった地では有るけど、私はここで絵を描いてみたいです。(高校時代、美術部でした。)